テレショップ評論家の取材記〜ジャパネットの高田社長も、マーフィー岡田も取材しました!!〜

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テレショップ評論家の取材記

テレビショッピングで活躍するジャパネット高田明社長塚本慎太郎さん、実演販売人のマーフィー岡田さん、ショップジャパンオークローンマーメイドオフィス・トゥー・ワン片山雅子さん……、テレビショッピングが好きなライターなのでいろいろと取材をしてきました。


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じゃぱネットたかた・高田明社長取材記

 今回おじゃましたのは、「金利・手数料負担」「パソコンのセットアップサービス」でおなじみの「ジャパネットたかた」。佐世保まで自腹取材を敢行!

 25年ぶりの国内線ということで、往復スーパーシートというちょっと贅沢な自腹取材であったが、高田社長への独占インタビューや、CS生本番直前の塚本慎太郎さんへの取材、CS生放送の現場や社内見学など、「ジャパネットたかた」さんの全面的なご協力のおかげで有意義な取材活動が行えた。

 ビジネス誌で紹介されるジャパネットというと、「メディアミックス・自前主義」などビジネスモデル面が強調されるが、今回の取材では、ジャパネットという会社そのもの、そして、高田社長の人物像にフォーカスした取材を行った。

 今回の取材のお世話をしてくださったのが、秘書課の坂本さん。取材依頼のやりとりからスケジュールの調整まで全部行っていただいた。とてもチャーミングな女性だった。

ジャパネットとテレビ放送

〜 本格的なスタジオのセット 〜

 ジャパネットのスタジオは旧社屋をスタジオ用に改造したものということで、天井は専用スタジオのような高さはない。

 しかし、セットは本格的で、ベニア板の書き割りのような安っぽさはみじんもない。普通、テレビのセットというと、金をかけずにそれなりに見えるものと思われがちだが、映ることのないであろう位置にある柱までもしっかりしたものが使われていたのには驚いた。

 はっきり言って、「金がかかっている!」というのが正直な印象だ。

〜 ジャパネット制作現場のスタッフは? 〜

 テレビの世界というと、クリエイティブで才能を存分に発揮できると考えている人もいるだろうが、実は極めて職人的な縦の社会。一人前になるまで、かなりの時間がかかる。

 ジャパネットの制作現場のスタッフはすべて自社社員で、しかも、週に3日(水・木・金の15時〜18時)は3時間のCS生放送がある。ジャパネットが自前で放送をしているのは以前から知ってはいたが、「制作会社から引き抜いたに違いない!」と思っていた。

 ところが、秘書課の坂本さんによると「テレビ関係の仕事をしていた者の中途入社は若干はありましたけど、ほとんどはジャパネットの社員です」とのこと。

 素人集団にいきなりテレビ制作などできるのか大いに疑問だが、「専門の人たちは、『自社制作の番組なんてできるはずがない』って言いました。でも、三ヶ月間、スタッフをテレビ制作の会社に”修行”に出して、予定通り自社で番組を制作しました」と、常識では不可能と思われていることを可能にしてしまったのである。

【 なぜジャパネットは自社制作にこだわるのか? 】

 なぜ、ジャパネットはこれほどまでに番組の自社制作にこだわるのだろうか?

 理由はスピードにあるという。「外部の制作会社に頼むと、発注から完成までに一ヶ月はかかります。パソコンなど、サイクルの短い製品の場合、一ヶ月も経ってしまったら、もはや新製品と言えません。新製品の発売とほぼ同時に番組で紹介できるのが自社制作する理由です」(坂本さん)。

 たしかに、パソコンは発売されて一ヶ月もするとフツーの商品になってしまい、三ヶ月もすると型落ち品になってしまう。野菜や魚のように生鮮品なのだ。製品の旬の時期を逃さないための自社制作番組なのである。

【 ジャパネット最初の出演芸能人は? 】

 BSや地上波での「ジャパネットたかた」といえば、高田社長と塚本副部長、それに、2〜3人のタレントさんが出演するパターンがおなじみだ。そこには、実にさまざまなタレントさんが登場しているが、記念すべきタレント出演の第一号は「ゲロゲ〜ロ」でおなじみの青空球児・好児のお二方だそうだ。

 出演タレント第二号は、石立鉄夫さん。出演タレント第三号は「日本の社長」で一世を風靡した宮尾すすむさん。社長の知り合いが日本一多い芸能人と噂される宮尾さんが、高田社長と競演し、また、社長の知り合いをひとり増やしたことになる。出演第四号は高視聴率番組「ベルトクイズQ&A」司会の押坂忍さんと続く。

【 高田社長とダチョウ倶楽部 】

 出演タレント第五号はとやっていたらきりがないほど多くの芸能人が出演しているが、最新の出演者は11月13日に収録のダチョウ倶楽部だ(11月8日取材時)。

 ダチョウといえば肥後さん。フジテレビ系列の「ものまね王座決定戦」で高田社長のものまねを披露していたが、高田社長曰く「肥後さんは商品つけ過ぎ! 何でもつけちゃうんだから」と、番組はご覧になったようだ。

 タレントさんバージョンの収録は朝の7時から夜の7時くらいまで続くそうだが、収録をしながら社長の癖を盗み、自分の芸にしてしまうダチョウのリーダー肥後さん、あっぱれである。

ジャパネットの社内を公開!

 ジャパネットは現在、本社社屋とスタジオ242(旧本社社屋)の2つの建物で営業をしている。佐世保駅から車で10分ちょっとの場所にある。スタジオ242には、ショップも併設されている。

〜 スタジオ242 〜

 スタジオ242は、名前の通りここで番組の収録が行われる。また、ここでは収録だけではなく、各放送局に送るテープのダビング作業や、CS用のVTR放送も行っている。さらには、撮影用のハウス型スタジオも完成した。

 スタジオ横には、ミキシングルームがあり、ここでカメラの切り替えやテロップを流したりしている。テレビで見かけるミキシングルームと全く同じである。

 ダビング作業ルームにも案内して頂いたが、「精密機械を扱うため」(テレビ制作部佐藤さん)と、室温は22度に固定されており、冷房がガンガンかけられている。またこの部屋には、CS放送用のテープも管理しており、ジュークボックスのように自動的にテープが放送される。

 ちなみに、映像は、光回線で東京まで結ばれており、そこから衛星にのせられる。

〜 本社社屋 〜

 2001年2月に完成した本社社屋。新しいビルらしくおしゃれで清潔。入り口は吹き抜けになっており、開放感も十分。ここで、テレビ放送以外のすべての業務が行われるている。

〜 土足厳禁の本社ビル 〜

 まず驚いたのが本社ビル内土足厳禁。「埃からオペレーターの喉を守るために」(坂本さん)と、徹底的な衛生管理で、最前線で働くオペレーターの体調管理は入り口から始まる。

〜 配送センター 〜

 配送センターも本社ビル内にある。配送センターには全国へ向けて発送される商品の梱包作業が行われている。この梱包の作業もジャパネットの社員が行う。

 梱包作業などは、外注した方が安上がりと思うのだが、「製品は愛情を持ってということで、社員があたっています。もちろん、配送はヤマトさんや佐川さんなど、専門の業者が行っていますが」(坂本さん)。

 また、この配送センターではセット商品も一つの段ボール、通称”タカタ箱”に入れられて発送される。テレビやビデオ、パソコンとプリンターなど、セットアップが必要な製品はバラバラに送られてきても、ユーザーとしては困るし、送料もかかる。それを解消するための”タカタ箱”なのである。

〜 ラジオブース 〜

「ジャパネットたかた」というとテレビショッピングのイメージが強いが、ラジオショッピングの方が先輩格である。ラジオショッピングあってのテレビショッピングなのである。

 ラジオ用のブースが3階フロアーの入り口のところにある。このブースと放送局がつながり、生で商品紹介がされるのだ。

「ラジオショッピングですが、どのようなものを紹介するか、一応スケジューリングされています」(坂本さん)。”一応”とはどういう意味なのか訊いたところ、「たとえば、暖房器具を紹介する予定でも、その日が暖かかったら、他のものを紹介します。逆のケースもあります。各地方の天候やその他さまざまな条件を考慮し、当日紹介する製品を決定します。(小声で)放送局様には本当に無理を言って、ご協力して頂いているんですよ」(坂本さん)。

 小回りのきくのがラジオの魅力でもあり、また、ラジオショッピングからスタートし、ラジオの利点を知り尽くしているからこそ、自社テレビ番組の制作へとなったのだ。

〜 オペレータールーム 〜

 三階の入り口から入って右手が、オペレーティングルームとなっている。ここでも社員のオペレーターが刻々と入ってくる注文を受け付けている。注文だけではなく、ユーザーからの問い合わせはイントラネットでデータベース化され、瞬時に対応できるようになっている。また、オペレータールームの奥には、ビデオカメラやカーナビなどの製品サポート部隊が待機している。

 このオペレータールームであるが、関東エリアのキー局で放送される場合、オペレーターが全員待機するのはもちろん、オペレーターが電話に対応しきれない場合は、その他のセクションに電話が回される。

〜 問い合わせ殺到? の電子辞書 〜

 以前、電子辞書を発売したとき、ユーザーさんから、「四文字熟語が常に表示されている」との問い合わせが殺到したことがあった。1件や2件の問い合わせならば、初期不良と考えられるが、それにしても問い合わせが多い。

 原因は、電子辞書の液晶を保護するために貼られていたシール。これに四文字熟語がプリントされていたのだ。ユーザーさんがシールをはがさなかったことが原因だが、オペレーティングルームが社内にあるために、このことは営業に速攻連絡。そこからメーカさんへ対応のお願いとなったそうだ。

 このようなシール一つの問題でもすぐに対応できるというところに、オペレーティングルームが本社内(しかも同一フロア)にあるメリットがあるのだ。

〜 チラシも社内制作 〜

 テレビやラジオでの放送とともに、チラシもジャパネットの重要な販売ツールとなっている。ジャパネットではこのチラシも社内で制作している。

「外部のデザイナーさんよりも社員の方が製品に対して精通していますから」(坂本さん) の言葉の通り、配布地域によっても微妙に商品を変えている。「たとえば、沖縄の方は、カーナビの注文が少ないんですよ。だからカーナビに使うスペースに、ビデオカメラなどの製品を紹介したりしています」(坂本さん)

 また、地域だけでなく、「ビデオカメラなんですけど、液晶の画面がきれいなのがセールスポイントの商品は液晶部分をクローズアップします。同じビデオカメラでも、小ささが売りの製品は、小ささをアピールするようにします」(坂本さん)と、同じジャンルの商品でありながら、製品毎に見せ方を変えているのである。

 ちなみにこのチラシであるが、全国版と数種類の地方版があるそうだ。皆さんの地域では、どんな製品が大きく紹介されているだろうか?

【取材協力】
株式会社ジャパネットたかた
http://www.japanet.co.jp/

文・恩田ひさとし

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